JyJy_douraku’s blog

語学や趣味など年金ジイさんの道楽ブログ!

米の分析を米ぬかで代用!

 米を分析する時に測定精度や測定感度を上げるには、ある程度の量が必要になる。我が家の放射性核種の検出システムは自作と言う事もあり、サンプルは300ミリリットルと言う量の制限がある。この量ではサンプルを濃縮させる必要がある。そして元の重量から換算し計算する事になる。また米は食として大切な物で、米そのものを燃焼濃縮するわけにも行かない。そのため玄米を精米し出た米ぬかを燃焼灰にし計測する。この方法は前回のテストでかなり成功した。
 米は農水省資料だと米ぬかはCs濃度比率加工係数8倍だそうで、米ぬかの測定結果から、食として大丈夫か判断するため、8分の1或いは安全係数を考え、5分の1乃至4分の1を目安に判定するのが良いだろう。300ミリリットルの容量に炭化濃縮させるには米ぬか重量としては600グラム必要となる。その作成手順を下記に示す。
 【サンプル作成手順】
1)米ぬかを油分の無い中華なべで150グラム少しずつ4回に分け茶色になるまで空炒りする。
2)これ以降は無風時に外で燃焼させるのが安全。(室内は避ける) 茶色になった米ぬかは、油分を含むので着火はすぐし、自己燃焼を始める。量は少しずつ。
3)表面だけが燃え広がるので、火力は上がらない様に保ちつつ(金属のふたを利用し)丁寧に少しずつ表面に新たな米ぬかが現れるように燃焼させる。始めから米ぬかの量が多いと炎が大きくなり危険!(必ず金属のふたを開閉しつつ燻し具合を調整)
4)燃える米ぬかが少々有り火力が残るうちに米ぬかを少しずつ追加して行く。
5)全て燃焼(炭化)させたら完全に内部も消火するまで数時間待ち、消火が確認できたら少量の水を追加し硬く練り込む。
6)300ミリリットル容器にしっかり少しずつ押し込み固めながら全量収容できる。
 娘のつてで探した南の某県産23年産米のと、親戚がまた送って来てくれた宮城の県北23年産米を測定比較する。測定の繰り返し精度を上げる為、いつもの様に複数回実施し、バックグランドの複数データとのマトリクスでバラツキ検証する。スペクトルの比較例は図の通り。

 結果としては、某県産米の方が、宮城県県北米より放射性物質の汚染は少ないようだ。
 某県産米の米ぬか Cs134&147 MEDIAN平均 8 Bq/Kg
    MAX 18 Bq/Kg , MIN −8 Bq/Kg
 宮城県県北米の米ぬか Cs134&137 MEDIAN平均 44 Bq/Kg
    MAX 82 Bq/Kg , MIN 19 Bq/Kg
 この結果から、農水省資料の加工係数8倍を用い、精米した米の放射性核種が米ぬかの8分の1程度と仮定すると、
 某県産米 MEDIAN平均 8÷8=1.0 Bq/Kg , 同 MAX 2.25 Bq/Kg
 宮城県県北米 MEDIAN平均 44÷8=5.5 Bq/Kg , 同 MAX 10.25 Bq/Kg
 本計測値はK40散乱補正とROI幅でのエネルギー補正を行っている。(K40の量は記述省略)
 以上の結果から、セシウム量としては某県産米の方が、宮城県県北米よりもかなり汚染が少ないと推定される。(本宮城産米は親戚すじで既に検査され、結果が出てる汚染の極力少ない米を送ってもらった。今回の測定値はそれにかなり近く、測定バラツキ範囲内の値に収まっていた。)