JyJy_douraku’s blog

語学や趣味など年金ジイさんの道楽ブログ!

香りハーブのローリエ(ベイリーフ)の放射性核種の汚染を調べる!

 福島原発事故の影響で、千葉や東京都内でもシチューやカレーにも使われる、香りハーブのローリエ(ベイリーフ)葉の自家栽培で、放射性核種の汚染が報告されている。福島の伊達市では1Kg当たり7757Bqも検出されている。また、郡山市でも最大値で2960Bq/Kgが検出されたという。この春に、我が家でも先にビワの葉から高い値が検出されているので、自宅の門傍の背丈程の月桂樹の木が有り、今回そのローリエ葉を計測する事にした。
 昨年以前着葉及び昨年成長の旧葉と、今年成長した新葉の汚染状態を比較してみる。ローリエ葉は厚くがさばるので、摘み採った葉を乾燥させ、いつもの様に燃焼灰に濃縮させサンプルを作る。月桂樹の生葉は葉の厚みが有るので乾燥しても重量は半分程度にしかならない。燃焼灰にすると更に三分の一程度の重さになる。

 通常購入した使用前の状態と同じ、乾燥した葉での換算比較をすると、
  旧年葉 : Median平均 336 Bg/Kg
    Max 375 Bq/Kg , Min 299 Bq/Kg
  本年葉 : Median平均 58 Bg/Kg
    Max 76 Bq/Kg , Min 24 Bq/Kg
 普通、料理に使用するのは2枚か3枚なので、本年の葉を使う分にはまったく問題の無い値であった。
 やっぱり予想した通り昨年の放射性ブルームによる汚染影響が旧葉に現れている。今年の新葉の値が五分の一に低下し差が歴然としている。
 汚染した旧葉が残らないように、幹だけを残し完全に剪定してしまう事にした。月桂樹の木は生命力が強いのですぐ新芽が出て来るだろう。周りの落ち葉も土に返り再び土壌汚染にならぬ様に拾い集め処分する。
 剪定生葉や枝は総重量が20Kg以上になったので、旧葉を3割、新葉を7割としても1500Bq程の除染をした事になるだろうか?狭い範囲なので結構な除染効果になったようだ。
  *****   その後の分析追記   *****
 福島原発を起因とする放射性物質の含むブルームは、その当時の3.15には雨は降っていなかったが、相当量の核種を樹木の葉などに付着したようで、葉に吸収した一方その後の雨により地表に流れ落ち、土壌も汚染させたと思われる。土壌を分析した結果、土壌の汚染もひどい状態となった。線量的には神奈川は低汚染で済んだ地域なのでバックグランドも高くなく、放射線独特の「ゆらぎ」や「計測繰り返しバラツキ範囲」の中に隠れ、地表面で0.01〜0.02μSv/Hr位高いのか?外では判別付かず。室内での値と比べその程度高いのかな?と感じる変化しかない。その土壌を鉛遮蔽内で計測した結果は以下の値となった。
   植土壌 : Median平均 410 Bg/Kg
    Max 450 Bq/Kg , Min 356 Bq/Kg
 したがって、旧年葉の汚染は土壌からの以降と言うより、放射性ブルームによる葉や枝や幹からの吸収で、本年葉が純然たる土壌からの移行と考えたほうが良さそうである。本年葉ロリエの、その移行係数を推定すると、
  推定移行係数 平均 0.1415  : 0.0533〜0.2135 (暫定値)
 となった。
同じ場所に、ニラが植えてあり、ノウゼンカズラも生えているが、汚染の程度は非常に低く検出限界の範囲となった。(測定繰り返し回数 各マトリクス n数=30)
  ニラ : Median平均 10 Bg/Kg
    Max 27 Bq/Kg , Min −7 Bq/Kg
  ノウゼンカズラ花&花弁 : Median平均 5 Bg/Kg
    Max 10 Bq/Kg , Min −6 Bq/Kg
  ニラもノウゼンカズラも検出限界のレベルであろうか!! 微量には汚染しているようだが!! 過去に発表された農学関係の論文では、ユリ科(ネギ科ネギ属:APG植物分類体系)の植物は通常、移行係数は、ネギで 0.0017〜0.0031、玉ネギで 0.00003〜0.002 と報告されている。植土壌とニラでの移行係数をMedianで計算すると、
   0.0156〜0.059  程度で、ちょっと大きな値になった。