JyJy_douraku’s blog

語学や趣味など年金ジイさんの道楽ブログ!

雑草や庭土のセシウム汚染を測る!

 福島原発起因の放射性物質の汚染が、あちこちで発見されていますが、我が家の隣家でも庭土が汚染してたり、庭の草取りした草や落ち葉にも汚染が心配されます。
 そんなわけで、身の回りの放射性核種線源をいろいろ測定しスペクトル比較をしました。きょうは、クソむずかしい「かた〜い話のブログになったな!」ってな感じ。お付き合いくださ〜いw!
 使用したPD(ピンフォトダイオード)はGeのようにスペクトルピークがシャープではないが、放射線医学研究所のGe分析でも用いてるスペクトル解析をする際に、やってるやり方のようで 『 チャンネル幅を有するスペクトル(全エネルギーピーク計数部分)ピークチャンネルの範囲をロイ範囲として、バックグランドの計数(Photons)との差からピーク計数率が求められる 』
を参考に「定量をしてみよう!」と試みました。
本来は、計数効率=ピーク計数率 ÷ 放出γ線数 なんですが効率曲線が不明なので下記を条件にしました。測定装置は自作の放射線検出器。センサー部にはPD(秋葉原の秋月で1個500円)にCsI(TI)シンチレータ(秋月で1個4500円)を接着させ二対使用。ヘッドのチャージAMPはFET(2SK170)→2SA579→2SC1006→NJU7032(AD8656ARMZ)→NJU7032(LPF)→パソコン   NJU7032(LPF)は、「いまでん屋」さんのをコピペして実装しました。ディスクリートアンプ部は http://www11.plala.or.jp/jk1hrb/index.html さんのサイトの回路を基本転用し手入れをし、実装設計のみオリジナルってことです。中のPD乗った基板は「いまでん屋」さんのを流用しています。

また他に、この方のサイト http://d.hatena.ne.jp/transfergate/20110729/1311953648
のやり方を参考に、小学生みたいにまねっこして、試算をばやってみました。
 スペクトルをまず計測します。核種特有のγ線をカウントしパソコンで波高分析します。本来なら鉛だとかの遮蔽チャンバーあるといいんですがねw!ランタンマントル,愛機マミヤRB67レンズ,やさしお,隣家の庭土,雑草と落ち葉 各種を計測しました。2日間かけて。
各核種の放出率は K40 γ線のエネルギー 1461KeV : 10.7 %
   Cs-134 γ線のエネルギー 605 KeV : 97.6 %
                    796KeV : 85.5 %
   Cs-137 γ線のエネルギー 662 KeV : 85.1 %
   Cs-134 と Cs-137 の比率は 50% : 50% (福島他の土壌検出データ基に仮設定)
   「やさしお」は8730Bq/Kg,1袋にはK40が54g含む( http://d.hatena.ne.jp/transfergate/20110729/1311953648 を参照)
   本来はγ線のエネルギーによって計数効率は異なる(Ge)が本PD+シンチレータを簡易的に同じと仮定する。
  を条件にしました。

上の図中[A]の範囲は「やさしお」のピーク示した範囲で、
それを、ロイ範囲[A]とします。

そのロイ範囲[A]の バックグランドのカウント(Photons) は 606カウント(Photons)
         やさしおのカウント(Photons) は 1473カウント(Photons)
  K40−BG  = 1473−606 = 867カウント(Photons)
8時間計測なので 867 ÷ (8 × 60 × 60) = 0.0304167/秒
8730Bq/Kgの「やさしお」360g(2袋)には、K40が108g含み、
3142.8Bg/360g 1460KeVのγ線放出率が10.67%なので
335.34カウント(Photons)/360g・秒 相当のγ線が放出されるはず、とします。
したがって、本計測システムの計数効率は 0.0304167 ÷ 335.34 = 0.0000907041
 と、なりました。自作の安価ではこんなもんかな?だれか標準線源無料貸し出ししてくれんかなw!

本来はγ線のエネルギーによって計数効率は異なるんですが、各核種の標準線源もないしGeでなく今回はPD+CsIシンチレータなので不明だし、サンプル形状と距離、対向面積が同じにし計数効率を同じと仮定して、
セシウム134と137の、569KeVから801KeVの間を、ロイ範囲[B]とします。

まず雨水浸透枡設置の無い垂れ流し隣家の庭土(250g)のサンプル計測

ロイ範囲[B]の バックグランドのカウント(Photons) は 4877カウント(Photons)
       庭土のカウント(Photons) は 11381カウント(Photons)
  Cs134&137−BG  = 11381−4877 = 6504カウント(Photons)
8時間計測なので 6504 ÷ (8 × 60 × 60) = 0.225833/秒
Photons放出 P は P = 0.22583 ÷ 0.0000907041 = 2489.75(Photons)

   =(χ1/2) × 0.976 + (χ1/2) × 0.855 + (χ1/2) × 0.851

Cs134+137 合計 χ1 Bq/250g   χ1 = 2 × 2489.75 ÷    (0.976+0.855+0.851) = 1856.635
   χ1 × 4 = 7426.5BqBq/Kg

次に庭の雑草と落ち葉(ポリバケツに一杯分)の燃やした灰(250g)のサンプル計測
(むかし使ったアルミの洗濯たらいの中でバーナーで燃やし全量回収)

ロイ範囲[B]の バックグランドのカウント(Photons) は同じ 4877カウント(Photons)
       灰のカウント(Photons) は 10466カウント(Photons)
  Cs134&137−BG  = 10466−4877 = 5589カウント(Photons)
8時間計測なので 5589 ÷ (8 × 60 × 60) = 0.1940625/秒
Photons放出は 0.1940625 ÷ 0.0000907041 = 2139.514(Photons)

   =(χ2/2) × 0.976 + (χ2/2) × 0.855 + (χ2/2) × 0.851

Cs134+137 合計 χ2 Bq/250g   χ2 = 2 × 2139.514 ÷  (0.976+0.855+0.851) = 1595.462
   χ2 × 4 = 6381.8Bq/Kg

結構な数値が出てしまいました。東電からの嬉しくないプレゼントですわw!
庭の雑草はしっかり伸びるまで待ってから、根を残しまた生えるようにしつつ取ってすてる(市で回収)のが庭の除染効果になりそうですよ。
 また、幼児に食べさせる食べ物の放射性セシウム核種の汚染も気になる。日本政府は原発推進寄りの委員がメンバーの中に多い、危険きわまりないICRPに準じた規制値を設定。新たな基準も大きなままで国民特に子供や幼児にはもっての他の値。欧州放射線リスク委員会(ECRR)も日本政府に警告してる現状だ。世界のきびしい非難を受けいまごろになって国際放射線防護委員会(ICRP)も、やっと重い腰を上げ値の再検討のそぶりだけは見せているようだが、アメリカの息のかかった信用置けない原発推進側の委員たちがいまだに多い。
 とりあえずはECRRやドイツの基準を参考に、移行係数が大きく汚染度合いの超大きい「キノコ類」次に多い「根菜類」の測定だけは、「孫や子供たちのためにも是非実用化にしたい!」それが目標だ。
追記:
  その後、PD+ScI(TI)シンチレータの計数効率について、セシウムでのエネルギー補正を調べていたが、http://d.hatena.ne.jp/transfergate/20110906/1315323071 のサイトで環境放射線モニター Mr.Gamma (ミスター・ガンマ) A2700型でセシウムでのエネルギー補正についてふれていた。このA2700もScI(TI)シンチレータを使っているので、まったく同じとは言えないであろうが、エネルギーでの計数効率の差は同じような傾向を示すと推察される。不確定ではあろうが、この情報を基に補正をした方が、より正確な値に近づくのではないか?と思い、補正を試みた。
 この記事によれば、K40で見積もった検出感度が「2500CPM/μSv/h」であるのに対し、Cs−134,137では実測の結果「3200CPM/μSv/h」であった。したがって、セシウム134/137では1.28倍計数効率が高いと予測される。
  この結果を、今回の測定結果に当てはめると、セシウム134/137での計数効率は 0.0001161 程度になると推定される。よって、
 隣家の庭土(250g)のサンプル計測結果は
   7426.5Bq/Kg  は  5802.0Bq/Kg
 庭の雑草と落ち葉燃焼灰(250g)のサンプル計測結果は
   6381.8Bq/Kg  は  4985.8Bq/Kg
が、計数効率を考慮した結果に近いのではないか?と推測される。
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追記 >> K40での計数効率確認をバックグランドとK40の計測を複数回(n=24)実施しました。
  結果  MAX:0.0001163838     MIN:0.0000805575
       MEDIAN平均:0.00010805
 これを、上記のセシウムでの換算に置き換えると、
       MAX:0.00014897     MIN:0.00010311
       MEDIAN平均:0.00013830
 と、なりました。
    Cs134/137 計数効率 0.01383%
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