JyJy_douraku’s blog

語学や趣味など年金ジイさんの道楽ブログ!

放射性核種計測の鉛遮蔽!

 目的とする試料サンプル物質中の放射性スペクトル計測をする時、宇宙や地球自然界、更に原爆実験や福島原発事故で飛散した放射性核種から放射される放射線が、バックグランドとして測定のノイズ障害となります。大きな汚染物質の場合にはバックグランドが有ってもある程度計測は可能ですが、少ない量の汚染物質の場合にはバックグランドに邪魔され埋もれてしまったり計測出来なかったりします。
 そこで鉛でバックグランドを遮断する必要が出て来るわけですね。より精度も上げるために鉛の遮蔽BOXを作る事にしました。
 材料の鉛は http://item.rakuten.co.jp/avac/fj02/?s-id=pc_srecommend_01 ここで購入しました。これがその構造です。5キロの鉛なので重いですよ。

 構造は写真の通りで3枚の鉛板を曲げ合わせた作りです。鉛の板は曲げると応力で内側が膨れ外側が縮み変形します。変形を弱い力で叩き修正しつつ3枚を同じ湾曲形状に曲げます。変形部分はヤスリ掛けして合わせ面がぴったり合うようにしました。4本入りを2セット購入(2万5千円代引き送料込み)8本での完成でした。年寄りの私の力では曲げるのは楽ではありませんでした。このBOXの中にはドラッグストア等で市販している綿棒の入ったプラスチックケース300ミリリットル容量を入れることが出来ます。土壌だと250gがぴったり入って一応満足できる量の計測が可能ですね。
 バックグランドの遮断能力の程度は予想した通りでした。K40の1460KeV辺り(1330〜1545KeV)のROI幅で50%減、Cs134&137の662KeVと796KeV辺り(545〜860KeV)のROI幅で66%減でした。鉛板の厚みが15mmなのでこんなもんでしょうかね。やっぱり低エネルギーの領域ほど減衰が大きいようです。